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夢日記



仲良しだった三人の夢

私たち3人は仲良しでした。

歳は同じくらいだと思うのですが正確には分かりません、ここにいる子はみんなそうではないでしょうか。

長い廊下とたくさんの障子とたくさんの女の子、そういうところです。


ある日障子を開けると彼女が一人で座っていて、「聞いたのね」と言いました。

あんなに仲の良かった私たち、それなのにぎんちゃんは死んでしまったのです。

「相手の男の人は、苦しむ顔を見るのが辛いと、後ろからぎんの背中を刺したの」

彼女は静かに笑顔で言いました。


この時代はたくさん人が死んでいて、死地に送られる人もたくさんいて、ぎんちゃんの想い人にもついにそれが来たのです。


私たちは決して幸せな子供ではなかったし、この場所でもいつだって、苦しいことを数えようとすれば両手の指では足りません。

逃げるのでもなく見ないふりをするのでもなく、私たちは笑えることを笑って楽しめることを楽しんで、ただ生きてきました。


その私たちに、どうして更にこんなことが起こるのでしょう?


そう言いたくて、泣きたくて、でもどちらもできませんでした。

私はきっと上手に微笑んで、昨日までは彼女たちの部屋だった、彼女の部屋を出ました。

もう少ししたら、ここは誰の部屋でもない場所になります。


彼女は家族の元に帰ることになっていて、それは彼女がもう助からない体になっているからだと、私は知っていました。


あの部屋にはまだ血が残っているそうです。


空は人間のすることなんかには少しも頓着しないで、今日もきれいに晴れていて、それが嬉しいことなのか悲しいことなのか私には分かりませんでした。


# by maykiyu_ash | 2019-04-03 13:33 | 夢日記

緑色と廊下

いつも途中で気づくのだが、行動を変えることはどうしてもできない。

またあの夢だ。

緑色の髑髏がたくさん落ちている。

妙に向きがそろっているので、意図的に積み上げられているのかもしれない。

なぜこんな色になっているのか分からないが、その妙に光沢がある安っぽい緑は誰かがわざわざペンキを塗ったかのように見える。

しかし、そんなことをする理由が見当たらない。

考えても分からない。

ただ、不気味だ。

沢山の髑髏が揺れている。

音もなく、風もなく、ただゆらゆらとその場で動いている。


この先に進むと■■■がいて、それを殺さなければならないのだが、その理由が思い出せない。

妙に感覚のない足で、僕は進む。
たくさんの髑髏が揺れている。

地獄のような光景なのだが、緑色のせいか、揺れ方に変な統一感があるせいか、恐怖ではなく麻痺したような非現実感だけが空間を満たしている。

周りを照らす光は半透明に白みがかっていて、その光の中だけは時間がゆっくり流れているように見える。

僕はまた■■■を殺さなければならない。

怖いのは、■■■を殺さなければならないこと。

何回も殺している。

やりかたは分かっているし、簡単だ。手順を間違えることはない。

それでもいつも、ここまで来たあたりで急におそろしくなるのだ。

あのたくさんの髑髏は、きっとすべて同じ人のものだから。


# by maykiyu_ash | 2019-02-14 15:12 | 夢日記

世界の終わりと鶏の夢



どう見てもそれは世界が壊れていくのを認めたくないかたくなさである。


ひどく冷たい雨が降っている。


知らない人達が、知人宅にある小屋のような建物に、不満でいっぱいの険しい顔をしながら勝手に集まっていた。
世界はだんだんに壊れているが、彼女の家は最後あたりまで残るらしい。

知人の家族はそいつらの世話に困っているようだった。
それはそうだろう。
そもそも世話をする義理もない。

どうせ滅ぶのだから意味もない。



出迎えてくれた知人は僕を屋根の下に案内してバケツのような容器を指し、「一羽だけ産まれた」と言った。
見ると、そこには白色レグホンらしき若い鶏がおさまって、黄色い目でこちらを見ている。

「そう育てなかったから、残念だけどあまりさわれないんだ。すごくつついてくる。」

知人はそう言いながらもその生き物を抱き上げる。
鶏はじっとしているが、これ以上近づけば攻撃してくるだろう、と察知させる目であたりを見回している。

僕はなんとなく、この鶏を食べれば世界を壊す何かに勝てるようになるな、と悟るが、さすがにいきなりは言い出しかねて当たり障りのない答えを返す。


冷たい雨は音もなく降り続いている。

この雫があたたかくなれば、その雨はもはや地面にしみこまず、水位は数時間で人の背丈以上になるだろう。
そして世界が完全に終わる。


その前には言わなければならないのだが。



# by maykiyu_ash | 2018-12-19 11:12 | 夢日記

落花

何か思い出せそうだ。

足元、すぐ目の前の虚空を見つめながらそう思った。

でももう遅くて、背中を押された僕はそのまま落ちていく。

きっとどこかで失敗したんだな、と感じた。

でもそうでなければさっきの立場は逆になっていたはずで、それはかなしいことのようでも正しいことのようでもあった。

どこまで落ちても僕は僕で、どこにも行かなくても僕は僕で、世界ってどうしてこんなふうなんだろう?

そう最後に思った。


# by maykiyu_ash | 2018-12-10 16:44 | .

.

どこまでも青い。

あの人の目にはどう映っていたのだろうと、もう決して知ることのできない、そればかり気になる。

地平線は存在しない。

この星と宇宙には境界がない。

それがいいことなのか悲しいことなのか、もう誰にも判断できない。

この台詞はきっと自分の物ではない。

もう自分なんて存在しないのだけれど、自分らしくないからだ。

これはきっとあの人の思考をなぞっているんだ。

あの人が生きていたあかしはもう、そんなところにしか残っていない。


それがいいことなのか悲しいことなのか、やっぱり判断ができなかった。

なにもかも青い。


# by maykiyu_ash | 2018-11-22 17:16 | .


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by 眼関柚矢
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